動かざること山の如し(落穂拾い編)



食事

今回の滞在中は色々な所で食事したり買い物したりしたが、万事スケールが大きい! シズラーというレストランで食事した時はアイスティーのコップが大き過ぎて飲むのに苦労したし、スーパーマーケットの一角にあるレンタルビデオコーナーで売られていたポップコーンは、バケツと見まがうばかりの巨大さだった。日本ではとてもお目に掛かれないサイズであるのは勿論、そもそも持ち歩くのさえ恥ずかしいのではないかというほど。

食事の物価はおおむね安く、DZ内にあるレストランのトーストとベーコンとポテトとオムレツが載った物が5ドル、大衆中華食堂みたいな所で食べたピラフの上に中華丼が載っている物が5ドル、中華のテイクアウトのお弁当屋が4ドル4セント、スーパーマーケットで買ったピザが3ドル99セント。このピザは2切れでお腹がいっぱいになるほどの量だったが、それが8切れも入って4ドル弱なので安い。ところでスーパーでは値段の付け方が必ず○○ドル99セントになっていて、一方日本では何百88円なのでこういう所にも文化の違いを感じる。日本人は8という数字を一番安く感じるらしいが、本当だろうか。


飲酒

アメリカは飲酒の年齢制限が厳しい。メキシカンレストランで食事した時、ビールを注文したら身分証明書の提示を求められたので、パスポートを渡した。酒屋でビールを買った時もやはりパスポートの提示を求められた。当時21歳だったが、ただでさえ日本人は実際の年齢より若く見られる上に自分は小柄なので、よけい未成年と疑われたのだろう。アメリカでは未成年にお酒を売ると販売者が逮捕されるという。それで厳格に対応しているのだろう。日本ではコンビニでも自販機でも買いたい放題なので如何に甘いかが分かる。ちなみにビールは18缶入りのクアーズライトが12ドルで、1缶100円程度だからとても安い。こんなに安いから水代わりに飲んでる!?


映画

曇天で1回も飛べなかった3月16日に、「タイタニック」を観に行った。4ドル25セント。アメリカでは曜日や時間帯によって料金が細かく分かれており、平日の昼だったせいもあって日本より断然安かった。客はまばら。当然字幕無しだったが、日本で一度観ていたので楽しめた。アメリカの映画館には付き物というバター入りポップコーンも買った。スモールを頼んだが、日本なら大でも充分通用するほどのサイズ。これでスモールならラージは一体どんな大きさなのか!? 「地球の歩き方」によるとバターで手をベタベタにしながら映画を観るのがアメリカでの正しい鑑賞スタイルらしい。


ペインティング



宿舎からDZに向かう道の途中に大岩が転がっている場所があり、その一部がペインティングされていた。上の写真のようにリンゴだったり、座っているカエルだったり。一緒に写っている人と比べるとどれほど大きい岩か分かる。何気ない風景だが如何にもアメリカらしいなーと感じた。


電話番号

アメリカの広告に示されている電話番号のほとんどにアルファベットが交じっている。例えばDZなら「1-800-SKYDIVE」といった具合。これはアメリカの電話機の番号ボタンには小さくアルファベットが振られていて、綴りの通りにボタンを押せば掛かる仕組みになっているのだ。2はABC、3はDEF、4はGHI、5はJKL、6はMNO、7はPQRS、8はTUV、9はWXYZ。なので「SKYDIVE」なら実際の番号は「7593483」である。とても便利な制度だと感心した。


ヤンキー

コンビニの公衆電話から電話していた時の事。電話機の上に誰かが煙草とライターを忘れていたが、メキシコ系の兄ちゃんがやって来て「Is it yours?」と尋ねてきたので「No」と答えたら、ニヤッと笑って「I guess it's mine」と云いながら持ち去って行った。また酒屋に行った時、お店の前に1回25セントの水の自販機があり、巨大な容器を持った兄ちゃん2人が水を汲みに来ていた。ところがコインを入れたのに水が出てこなかったらしく、サンドバック代わりに容赦無く機械を蹴ったり叩いたりしていた。アメリカンヤンキーを垣間見た瞬間だった。


子供

アメリカは物騒なイメージがある一方、子供を守る意識が非常に強い。広めの片側1車線の道を車で走っている時、前にスクールバスがいて、小学生くらいの子供達を乗降させる為に停車した。交通量が少ないのでもし日本ならちょっと対向車線にはみ出してでも追い抜く所だが、そのスクールバスの後部から「STOP」と書かれた標識が出てきて、後続車は全て当然のように乗降が終わるまで停車していた。未成年者には飲酒させない事の徹底ぶりといい、アメリカは子供を大事にする社会なんだなと感じた。


フリーウェイ

高速道路の訳語としてハイウェイが用いられたりするが、アメリカではハイウェイとは云わずフリーウェイと呼び、その名の通り無料である。しかし日本の高速道路は一般道と完全に隔離されて飛び飛びにしかインターチェンジがないが、アメリカのフリーウェイは一般道が大規模になって無信号の高規格道路になったような感じで、あちこちに一般道から入ってくる合流路がある。片側5車線が当たり前で非常にスケールが大きい。フリーウェイの一番中央寄りの車線は「Carpool lane」になっていて、2人以上乗っていないと走れない事になっている。同乗を促して車の量を減らす為の優遇策らしいが、その車線だけガラガラだった所を見るとよほど1人1台で走っているのだろう。「Carpool」は「Couple」と掛け言葉になってるのかな?


ロサンゼルス



ロサンゼルスはニューヨークに次ぐアメリカ第2の都市で、通称LAXと呼ばれるロサンゼルス国際空港も非常に規模の大きな空港だった。上の写真はダウンタウン(繁華街)の摩天楼で、映画「インディペンデンス・デイ」で宇宙船が降りてくる風景そのものらしいが、その映画は観た事が無かったので実感が湧かなかった(苦笑)


空と海



帰国前にロサンゼルス近郊のサンタモニカのヨットハーバーに立ち寄る機会があった。何百艘あるか知れないほどの無数のヨットやクルーザーが林立していて、世界中のマリンスポーツ愛好家がここに集結しているのかと思ってしまうほど。しかし実際は世界の至る所でこのような風景が呈されているに違いなく、そう考えるとやはりスカイスポーツよりもマリンスポーツの方が圧倒的にメジャーで市民権を得ていると感じる。いつの日かスカイダイビングもこのように広く普及する時が来るのだろうか?


終わりに

今回は初の海外旅行がいきなり一人旅、おまけに生命の危険もあるスカイダイビングの免許取得が目的という事で、万が一に備えて遺書を自室に残して渡米した。しかし無事に帰還できて何よりだった。わずか10日間の滞米だったが、日本では味わえない濃密な日々を過ごす事ができた。人間は木が年輪を刻むように、地層が重なるように、少しずつ人生経験を積み増しながら生きていく存在だと思う。その意味で出国前の自分と帰国後の自分を比べたら、多少は人間の幅を広げる事ができたかもしれない。

拙文でしたがここまでお読み頂いて有難うございました。


もどる
もくじ
とっぷぺえじ