【転】


サッカーラへ
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遺跡の名前としては日本人はサッカーラよりメンフィスの方が聞き慣れているかもしれない。確かにメンフィスは古王国時代の首都として有名だが、現在は廃墟になっていてわずかに神殿跡を残すのみである。サッカーラはメンフィスよりもカイロ寄りにあり、ジュセル王の階段ピラミッドがある事で有名。

ツアーならエアコン付きの大型貸切バスで回る所だが、今回は個人旅行だったので1人で向かった。カイロ市内からタクシーで行く事もできるが、料金トラブルに巻き込まれるのも面倒だったのでマイクロバスに乗る事にした。地球の歩き方の地図を頼りにマリオテーヤ運河のマイクロバス乗り場に向かうと、道沿いに8人乗りくらいのいわゆるバンが何台も停まっていた。車によって行き先が違うらしく、道端にたむろしているエジプシャン達にサッカーラ行きを聞いて回った。こんな所に日本人が1人で来るのはよほど珍しい様子だった。

満員になって車が動き出したが、どこで降りたらいいのか正直よく分からない。たまたま隣に座っていたエジプシャン青年が気さくに話し掛けてきてくれて、地球の歩き方の階段ピラミッドのページを見せて「ここに行きたい」と云うとアラビア語で運転手に伝えてくれた。この青年はとても英語が上手く、サッカーラまで色々おしゃべりして楽しかった。15分くらい乗ったのに料金は一律50ピアストルで、日本円にして何と15円! 安いな〜

ピラミッド入口で降ろしてもらい、後はひたすら歩く歩く。途中何度も欧米人を乗せたクーラー付大型観光バスが横を通り過ぎて行った。30分ほど歩くとチケット売り場にたどり着くが、ピラミッドまでは更に20分ほど歩かないといけない。ここはカイロほど緑豊かではないので日差しをさえぎるものが何もなく暑さがつらいが、砂漠の高台の上に静かにたたずむ階段ピラミッドは壮観だった。


階段ピラミッド
転2

ジュセル王の階段ピラミッドはエジプト第1号のピラミッドと考えられている。これが後に続く一連のピラミッド建設の第一歩だと思うと感慨深い。ピラミッドはもともと死後のファラオが天空へ登る為の階段として作られたというが、この階段ピラミッドを見るとなるほどと思う。これに比べるとギザのピラミッドは階段というよりも完全な四角錐だが、あれも本来は天空へ至る壮大な階段なのだと思うと、その宗教的意義の大きさに気付かされる。


ウナス王のピラミッド
転3

階段ピラミッドを取り巻く周壁の上からウナス王のピラミッドを眺める事ができる。ピラミッドと云うよりほとんど崩れかけた丘のようになっており、これを見るとギザの3大ピラミッドや階段ピラミッドが4500年の時を超えてちゃんと保存されている事が素晴らしい奇跡に思える。このピラミッド内部には貴重なヒエログリフ文書が残っているというが、一般人は入場する事ができない。


柱廊
転4

日差しが強烈なので柱廊の日陰に避難して休んだ。この柱廊も階段ピラミッドと同じく綺麗に保存されていて、数千年の時の流れによく耐えている。行きにいっぱい歩いて疲れたし、とにかく暑いので帰りはタクシーをチャーターして帰った。と云ってもここには客待ちタクシーは1台もないので、カイロから客を乗せて来たタクシーの運ちゃんと交渉して、客が遺跡巡りをしている間に急いでホテルまで送ってもらう事にした。最初は60ポンドなんて云われたが、最終的にはチップも含めて35ポンド(約1000円)に値切った。


(つぎ)
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とっぷぺえじ