第2週


26/Jul/99 (Mon) 晴

午前のLanguage Courseは"Cambridge Historical Tour"で、Chris引率のもとオリエンテーリングのような形でCambridgeの名所巡り(?)をした。

まずはWatsonとCrickがDNAの構造を発見したCavendish研究所跡。ちなみに同研究所は既に郊外に移転しており、ここには現在別の研究機関が入っているが、入口脇には2人が成した偉大な業績を記念する銘板が飾られている("The structure of DNA was determined here in 1953 by James Watson & Francis Crick.")。生命科学を学ぶ者(の端くれ)として感慨深いものがあり、また今自分はCambridgeにいるんだという事を改めて実感した。

続いてOliver Cromwellが再埋葬された教会や、Cambridge大生のいたずらで杖の代わりに椅子の足を持たされたHenry[世の立像があるTrinity Collegeの正門、そしてその右にあるNewtonのリンゴの木を見学した。NewtonはかつてTrinity Collegeに所属しており、彼が住んでいたという部屋はリンゴの木のすぐ上にある。Cambridge大学の途方もない歴史の長さに感嘆するとともに、Newtonのような偉大な学者が実際に生活し、研究していたのと同じ空間で学べるCambiridge大生をつくづくうらやましく思った。

Trinity Collegeの中を散策していると、1基の彫像が目に留まった。足元にある半口を開けた男性の頭部像は暗愚を象徴しており、それを書物を携えた知性の女神が踏み付けているという。「学ばずは卑し」「学は光」という言葉があるが、正にそれを具現化した像だ。このような彫像が学内の至る所に据えられており、知性の殿堂たる雰囲気を醸成している。

大学の卒業式会場に使われるというSenate Houseには"Senate House Leap"という伝説というか伝統がある。これは幅2.5mの小道を挟んで隣接するCaius Collegeの部屋の窓からSenate Houseの屋上に跳び移り、また部屋に跳び帰って来るというもので、部屋の窓を見上げるとその為の金属製のバーがある。地上からの高さは10m以上あり、とても正気の沙汰とは思えない。現在は危険なので禁止されている。

午後のLecture Courseの授業ではGideonの身振り手振りの演技力が面白く、笑いをこらえるのに必死だったが、こらえきれずに何度も声を立てて笑ってしまった。

夕食時にChrisから明後日までの予習プリントを渡された。今日も課題が2つあって大変だなーと思っていたら、その表情を察したのかChrisが「Study HardはCambridgeの伝統だ」と教えてくれた。全くその通りだと思う。我々は英語の勉強に来ているのであって、遊びに来ているのではない。

今夜は明日の予習の為に夜更かし。床に就いたのはこれまでで最も遅い2:05・・・


27/Jul/99 (Tue) 晴

天気は晴れだったが午前中は寒かった。夜更かしのせいか初めて寝坊し、9:00授業開始なのに8:40に起きてしまった。大反省。

昼食からLecture Courseまで時間があったので、街に出てCambrideの3D地図を探した。これはChrisが持っていたもので、綺麗で見易い地図だったので欲しくなったのだ。首尾よくゲットし、お気に入りのTrinity CollegeのBacksへと向かう。

Cam川沿いのベンチに腰掛け、ぼーっとする。今日はいい天気なのでPuntingの舟が多くて楽しかった。川下りの竿を落として川に飛び込んだ人や、竿が川底に突き刺さって外すのに苦労している人がいた。

Lecture Courseの後、19:30からNewnham Collegeの内庭でShakespeare野外劇を鑑賞。Cambridgeでは毎年夏になると"Shakespeare Festival"と称して演劇部の学生が幾つかのCollegeで野外劇を催す。学生料金は£7で、タイトルは"A Midsummer Night Dream"(真夏の夜の夢)。これは以前に新潮文庫版で読んだ事があったので内容もよく理解でき、楽しめた。野外劇なので当然ステージなどなかったが、巨木や潅木が天然の舞台装置になっている。客席もパイプ椅子を並べただけの簡素なものだったが、演者と観客と自然の三者に一体感があった。野外劇のいい所は日暮れとともに変化する空の色も味わえる事。ただし風は爽やかというより寒かった!

帰り道にチューターのMattが「"A Midsummer Night Dream"は屋外で演じるのにふさわしい劇だ。何故なら劇中では森や自然を舞台にしているから」と教えてくれた。それは一理ある。そういう効果も狙って野外劇にしたのだろう。


28/Jul/99 (Wed) 晴

今日の授業は昼からだったので遅目に起きた。昼食時に初めてPembroke College名物のバゲットを食べた。美味。かなり並ぶ必要があるが、並ぶだけの価値はある。"Have you tried?"の直訳と思われる「ためしてみましたか?」という日本語の看板が笑える。

Language Courseの授業でBBCニュースの聴き取りをした。Chrisがあらかじめ質問を用意してくれていたが、結構聴き取る事ができてちょっと嬉しかった。

授業が終わってから、週末旅行用の切符を買いに駅に行った。週末はどこに行こうか散々迷った末にWindsor城とBathに決めたので、Cambridge−Bath間の往復切符を買った。往復で£52.60。日本円で1万円ちょっとだから決して安くはない。

窓口の駅員は親切で、こっちが頼みもしないのに希望時刻前後の時刻表と乗り換え案内をプリントアウトしてくれた。もっとも後でChrisに話したら、「それはラッキーだった。時々不親切な駅員がいる」と云われた。でも今までの経験から判断すると、概して英国人は日本人に親切だし、応対も丁寧だ。渡英前は東洋人って低く扱われるんじゃないかなんて思っていたが、全然そんな事はない。

18:45から正装して2回目のDrink PartyとFormal Hall。その両方でChrisと結構話せたのでいい英語の勉強になった。


29/Jul/99 (Thu) 晴

授業は割と普通。すっかりやみつき(笑)になったので、昼食でまたバゲットを食べた。種類を変えてみたが、昨日食べたダブルチーズの方が美味しいと思う。

Lecture Course終了後、街に買い物に出た。週末旅行用にシャンプーを詰める小瓶を探す為。でもどこに売っているのか見当が付かない。17:30頃、Bootsという雑貨屋(?)に閉店間際に飛び込み、店員に"I'm looking for a small empty bottle for short trip"と尋ねたら一発で探してくれた。ちょっと感動。いやぁ、こんなに簡単に手に入るとは期待していなかった。

でも17:30で閉店とは早い。この店に限らず、Cambridgeでは大抵の店が17時〜18時には閉まる。19時や20時まで開いているのが当たり前の日本と比べるとちょっと不便に感じる。あまり働く気がないのだろうか?(失礼)

夕食はチューター軍団の企画でFrenchツアー。"Dome"という仏料理屋に行ったが、あの内容で£7.70(+ドリンク£1.70)は高いと思う。全然Frenchっぽくない料理だったし。


30/Jul/99 (Fri) 晴

午前中は図書館で午後の予習。午後からのLanguage Courseの1コマ目はCambridge散策。Chris引率のもと、彼が学んでいた東洋学部の博物館やQueen'sなどのCollegeを幾つか回った。

博物館にはギリシャ・ローマ時代の石像が多数並べてあった。それらの説明書きを見ると、年代にBCと書いてあるものとBCEと書いてあるものの2種類がある。BCは"Before Christ"の略と知っていたが、BCEって何だろうと思いChrisに尋ねてみた。するとBCEは"Before Common Era"の略で、"Common Era"は紀元0年の事だから結局同じ意味だと云う。非キリスト教者の中には年代にBCを使う事に抵抗がある人もいるから、妥協案としてBCEを用いているのだそうだ。Chrisは続けて「それはナンセンスだ。だってBCEだって結局キリストの生年を基準にしているのだから」と云った。

確かにキリストの生年なんてどうせ曖昧なんだから、紀元0年を宗教的意味とは切り離して、世界史の上での単なる便宜上の基準と考えればいいのにと思う。

夕食はChrisと同席。週末はどこに行くかという話になり、Y君がOxfordに行くと云ったらChrisは「Oxford大学がCambridge大学より優れているのはただ1つ、創立年の古さだけで、他は何もない。主観ではなく客観的に見てもそうだ」と云った。客観的と云う割には語気に力がこもっていた(笑)。やっぱりOxbridge(Oxford大学とCambridge大学)の人間って日本の早慶みたいにお互い対抗心を燃やしてるのかな? Chrisがむきになってるのが何となく微笑ましかった。

夜は明日からの週末旅行の準備。PCルームで鉄道の時刻表を検索したり、自室で旅程の計画を練ったりした。まだBathの宿を予約してないけど、何とかなるだろう。



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